2024年の新札発行で預金封鎖が行われる可能性は?
2024年に新札発行が予定されています。これにあわせ、預金封鎖が行われるのではないかとの声も聞かれますが、その可能性はゼロではないものの、現実的に預金封鎖が行われることはないと考えられています。
ここでは、預金封鎖と新札発行との関係、過去に日本で行われた預金封鎖、政府が新札発行する意図などについて解説しています。
預金封鎖と新札発行との関係
預金封鎖の意味、および、預金封鎖と新札発行の関係について見てみましょう。
預金封鎖とは
預金封鎖とは、銀行からの現金引き出しを抑制・禁止する政府の措置を言います。ハイパーインフレの抑制、国家財政の立て直し、犯罪防止などを目的に、これまで日本を含め世界数か国で実施されたことがあります。
預金者から見れば、「自分のお金を政府に凍結されて引き出せなくなった」という状況に他なりません。引き出せなくなるだけではなく、政府の判断によって預金の一部、またはほぼ全てが、税金という名目で預金から消滅することもあります。預金者にとって、極めて不条理な状況であることは間違いないでしょう。
預金封鎖と新札発行の関係とは?
戦後の日本でハイパーインフレが発生した際、時の日本政府は預金封鎖と同時に新札発行を行いました。具体的には、1946年2月17日に預金封鎖を実施し、約2週間後の3月2日で現行だった10円以上の紙幣を無効化。あわせて、5円以上のタンス預金を強制的に金融機関へ預金させ、生活費・事業費の一部のみ「新円」で引き出し可能とした措置です。いわゆる「新円切り替え」です。
2024年の新札発行について、一部ではこの戦後の預金封鎖に絡めて説明される傾向があるようです。その理由は、新札発行に至る現在の経済状況が戦後と似ているから。2023年現在、GDPに対する政府債務比率が戦後のハイパーインフレを誘発した数字と同水準になったことなどから、戦後と同様に新札発行と預金封鎖が同時に行われるのではないか、という懸念が聞かれるようになりました。
戦後の日本で行われた預金封鎖とは?
過去の日本で行われた預金封鎖の実例、将来日本で預金封鎖が行われる可能性、海外での預金封鎖の例などについて見てみましょう。
ハイパーインフレ対策としての強制措置
先に説明した通り、1946年、日本政府はハイパーインフレを抑えるための対策として、預金封鎖と新円切り替えをほぼ同時に行いました。この際に注目すべき点が、預金封鎖の実施に関する政府発表が実施前日に行われたこと。預金者はお金を引き出すなどの対策を行う間もなく、早々に預金が封鎖されてしまった格好でした。同時に行われた新円切り替えにより、手持ちのタンス預金も銀行へ預けなければならない状況にもなりました。
以上の点だけでも相当に強引な政策であったことが分かりますが、あわせて実行された政策が引き出し制限。1か月あたりの引き出し額について、世帯主は300円(現在価値12万円程度)、世帯員は100円(現在価値4万円程度)までという上限を設定する政策です。さらには、資産額に対して25~90%の比率で課税(現金だけではなく、株式や不動産、金なども課税対象)。政府主導により、完全に戦後日本をリセットするための強制的な措置が敢行された形です。
近い将来の日本で預金封鎖が行われる可能性はあるのか?
結論からいうと、たとえば2024年の新札発行のタイミングなどのような近い将来において、日本で預金封鎖が行われる可能性は低いでしょう。ただし、現代の日本経済には、戦後のハイパーインフレが発生した際と似た側面があることも理解しておく必要があるでしょう。
1946年に政府が預金封鎖・新円切り替えなどの強引な政策を採った理由は、極端なハイパーインフレを抑制することにありました。当時、ハイパーインフレは「政府債務比率がGDPの2倍」になった時点から始まっています。一方で2022年末現在における政府債務比率は、GDPの262.5%。2倍を優に超え、3倍に近づきつつある状況です。
日本は直近までデフレであり、デフレから急にハイパーインフレへ移行する懸念はほとんどありませんが、政府債務比率という側面では戦後の経済状況に似ている点も理解しておいて良いでしょう。
預金封鎖は海外でも行われている
なお、預金封鎖は戦後日本だけではなく、海外の複数の国において経済低迷や債務不履行を理由に行われています。主な国は次の通りです。
- ブラジル(1990年)
- ロシア(1998年)
- アルゼンチン(2001年)
- ウルグアイ(2002年)
- キプロス(2013年)
- レバノン(2021年)
常に、あらゆる国において、預金封鎖は経済対策の一環として採られうる政策であることは念頭に置いておいたほうが良いでしょう。
2024年に予定されている新札発行の意図とは?
2024年、日本政府は現行の3種類の紙幣を一新する予定です。その意図は紙幣の偽造防止とされていますが、もう一つの隠された意図が「タンス預金のあぶり出し」とも言われています。
新札発行によりタンス預金をあぶり出す目的、および、タンス預金を外へ出すことのメリットについて見てみましょう。
タンス預金をあぶり出す目的は?
タンス預金をあぶり出す目的は、その一部でも投資や消費に回すことで日本経済の活性化を図ることにあります。1995年から2023年にいたるまでの間、たとえばアメリカにおける個人金融資産の額は約3倍となりました。ヨーロッパでも約2.5倍まで膨らんでいます。この資産増の背景にあるものは、投資を通じた国内経済の発展に他なりません。
日本では、莫大なタンス預金が各家庭の金庫に眠ったまま投資に回らなかったため、同じ期間の金融資産の額は1.5倍に増えただけ。貯蓄分だけが増えた形です。
あるいは、2010年時点における日本と中国のGDPは同程度ですが、2020年の中国のGDPは日本の約3倍まで成長しました。この背景にあるものも、基本的には投資です。
日本にはタンス預金が約55兆円あると言われていますが、その一部だけでも投資や消費に回れば、経済は一気に上昇へ向かう可能性が高いでしょう。2024年の新札発行にはタンス預金をあぶり出す意図があるという見解について、一定の説得力はあります。
タンス預金を外へ出すことは本人のメリットにもなる
仮に1000万円のタンス預金があった場合、1000万円という金額自体は永遠に変わりません。しかしながら世の中の物価状況は、インフレやデフレなどで常に変動しているため、1000万円というタンス預金の実質的な価値も常に変動していることとなります。
例えば、去年だったら1000万円で買えたものが、インフレの影響で今年1200万円に値上がりした場合、タンス預金に200万円を上乗せしなければ買えません。モノが値上がりする(インフレになる)ということは、見方を変えれば現金の価値が下がるということでもあります。
逆に、世の中がデフレとなってモノの値段が値下がりすれば、タンス預金の実質的な価値は上がりますが、世界的な経済動向から見てデフレは起こりにくいと考えられるため、多くのタンス預金は実質的価値が目減りしていくことでしょう。
タンス預金を外へ出し、インフレに連動する投資商品などに回すことは、自分の資産を守るうえで重要かつ合理的な行動です。
タンス預金の活用方法を知り、自分の資産を守るための動きを早めに計画することを推奨します。
下記のページではタンス預金の活用の方法について紹介していますので、ぜひご覧ください。
タンス預金の代わりに『海外銀行口座の利用』という手段
タンス預金は、新札の発行に伴う推測やキャッシュレスの普及、金融機関の手数料値上げや新設などによって減少傾向です。また、自宅が被災した場合は、タンス預金ごと資産や家財道具などを失うリスクもあります。
資産運用のリスクや複雑さを避けつつ、一方で利息も重視したいという方は、海外銀行口座の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
日本にいながら海外銀行口座を開設するメリットは?
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その1
金利が圧倒的に高い
中には10%の高金利も?
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その2
リスク回避になる
為替変動、財政破綻への備えになる
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複雑な運用が不要
基本的には預金して終了。
手離れがいい
海外銀行口座の預金金利は低くても1%です。また、一般的には金利3%程度ですし、高ければ10%台のケースもあります。
そのため、国内の金融機関へ預け入れるよりも効率的に利息を得やすく、資産の活用という点でメリットのある選択肢です。
なお、海外銀行口座の口座開設手続きは、口座開設者自身で行う必要があります。代理で別の個人や法人などが解説してしまうと違法になってしまうので、注意しておきましょう。
ただし、アドバイスや書類作成のサポートなどは専門サービスへ依頼できるので、1から手続きを調べなくともプロの力を借りながら進められます。
そのため、タンス預金の比率が高い方やこのままタンス預金を続けていくべきか悩んでいる方などは、今回の記事を参考にしながら海外銀行口座の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
また、海外銀行口座の開設に関しては、サポート会社への相談を検討してみるのがおすすめです。申請作業そのものは本人対応が必要なものの、銀行から送付される資料やメールの翻訳、銀行ごとの特徴などに関するアドバイスを受けられますし、1から手続きの流れを調べる手間を省けます。
下記ページでは海外銀行口座のメリット・デメリットをまとめていますので、海外銀行口座についてさらに詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
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- 吉岩勇紀代表
2007年創業、これまで2,500人以上の海外銀行の口座開設をサポート。独自の人脈と豊富な知識で海外銀行とのコネクションを築く。現在はプライベートバンク(モナコ)・アクレダ銀行(カンボジア)・JDB銀行(ラオス)をはじめ、計8銀行の口座開設をサポートしている。