相続税対策のタンス預金が税務署にバレる理由
「被相続人が銀行などに預けていたお金を引き出し、自宅の金庫などにタンス預金として隠しておけば相続税から逃れることができる」とお考えの方は、その考えをすぐさま捨てましょう。
ここでは、相続税逃れとしてのタンス預金の違法性、税務署によるタンス預金の調査方法、違法性が認められた場合のペナルティなどについて解説します。
タンス預金とは
タンス預金とは家庭内に保管する現金のことを指す言葉であり、実際にタンスの中に現金を保管しているケースがあることから俗用表現として用いられています。金融機関に預けられているお金「銀行預金」と対の言葉として使われることが多くなっており、預金利息が非常に低い現代においては銀行に預けるのではなくタンス預金として現金を自宅に保管している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
タンス預金のメリット・デメリット
タンス預金をすることにはメリットとデメリットが両方あり、それぞれを知ったうえで場面に応じた対応を選択する必要があります。場合によってはタンス預金をしていることがマイナスに働く可能性もありますので、事前に認識しておきましょう。
タンス預金のメリット
いつでも現金が使える
タンス預金最大のメリットは、現金を手元においておくことでいつでも使えるという点になります。銀行口座に預けているとわざわざ引き出しにいかなければいけませんし、その金額が大きくなると銀行ですぐに用意して貰えない可能性もあります。また、ATMなどを利用すると手数料を取られることもあるでしょう。現金を手元においておくと、管理にコストがかかる心配もありません。
破綻によるリスクを抑えられる
銀行の預金にお金を預けている場合、その銀行が破綻してしまうと大変なことになります。銀行にはペイオフという制度がありますが、その制度では1,000万円までの範囲しか保証してもらうことができず、それ以上のお金は返ってこなくなる可能性があります。したがって現金の資産が1,000万円を超えた場合、超えた部分をタンス預金しておくことにより破綻により返ってこなくなるリスクを避けることができます。ただし、複数の銀行に1,000万円ずつを分散して預ける場合にはそれぞれの保証プラス利息が保護されることとなりますので、タンス預金をする必要がなくなります。
口座の凍結という心配がない
相続の場面においては、被相続人が亡くなって相続が始まると遺産分割協議が終わるまでは被相続人名義の預金口座が凍結されてしまい、現金を引き出すことができません。亡くなった直後には葬儀などで何かとお金が必要になるシーンが多いため、手元にまとまった現金を置いておくと安心です。
国や家族に知られず資産を貯められる
預金口座に現金が入っていると、今後マイナンバーなどの情報と紐づけられた時に「いくらもっているのか」を国に把握されてしまいます。個人資産も立派なプライバシー情報ですので、知られたくない方は現金で手元に置いておく方がよいでしょう。また、銀行預金や有価証券などは調べられるとすぐに資産情報が分かってしまいます。いわゆる「へそくり」のようにタンス預金をしておくと、家族も含めたいろいろな人に資産状況を知られないよう秘匿性の高い貯蓄として置いておけます。
タンス預金のデメリット
災害時の消失リスクがある
現金を手元においておくと、物理的に被害が出た際に守ることができません。火災や地震・水害などが発生した場合に焼失してしまうリスクがあります。火災保険や地震保険などにおいて現金は保障の対象になりませんから、燃えたり流されたりしたお金は戻ってくることがありません。しかし銀行に預けておけば災害が起きたとしても預金は保護されますし、通帳は燃えたとしても再発行が可能です。
盗難される可能性がある
現金を自宅に置いておくことは、空き巣や強盗に盗難されるというリスクもあります。犯人に遭遇すると怪我をさせられるリスクもありますので、かなり危険であるといえます。それでもタンス預金をしたいと考える方については、自宅のセキュリティを強化したり簡単に持ち運べない金庫を用意するなど、盗難被害にあいづらい環境・設備にしておく必要があります。
相続場面においてトラブルリスクになる
タンス預金はその存在を証明する事が難しいものであり、被相続人の近親者が持ち出してしまったとしても「もともと存在しなかった」との主張をされてしまうと他の相続人が抗弁することが難しくなってしまいます。また、被相続人がこっそり貯めていた現金だとすると相続人の誰もその存在を知らないという可能性もあり、気付かずに処分してしまう可能性もあるでしょう。さらに遺産相続に関する手続きが終わったあとにタンス預金が発見されるケースもあり、そうなると遺産分割のやり直し・相続税の修正申告が必要など余計な手間が発生してしまうかもしれません。
相続税対策としてタンス預金をするべきではない
結論から言いますが、相続税の課税逃れを目的としてタンス預金をすることは、絶対にやめましょう。見つかるか見つからないかという問題以前に、それは違法行為だからです。
また、見つかるか見つからないかという観点から見ても、極めて高い確率で「見つかる」ので、無駄な抵抗を試みず正しく納税を行いましょう。
税務署は、相続が開始された時から10年前までさかのぼり、銀行の入出金の記録を調べることができます。
この調査において、大きな金額の引き出しや定期的な引き出しがあったにも関わらず、それに見合った支出が確認できない場合、税務署はタンス預金による相続税逃れを疑います。
仮に、支出の具体的な内容を相続人がきちんと説明できなかった場合、税務署は、いわゆる「税務調査」を行う可能性が高いでしょう。
もし、タンス預金による相続税逃れの疑いで税務調査が入ったら、家の中のありとあらゆる場所を調査官に物色されます。タンスの中だけではなく、ベッドの下や天井裏、冷凍庫の中などなど。過去には、庭の土の中やトイレのタンクの中からタンス預金が見つかった事例もありました。
税務署の調査官の目を甘く見てはいけません。相続税逃れのためのタンス預金は必ず見つかるものと考え、はじめから正しく計算して納税しましょう。
相続税対策でタンス預金を行った場合の税務署の調査とは?
相続税に関連する何らかのグレーな要素が香る場合、税務署は相続税逃れを目的としたタンス預金があるのではと疑い、その疑いの確度を確かめるために、様々な周辺調査を始めます。以下、主な調査の方法を見てみましょう。
被相続人とその家族の口座の流れをチェックする
相続税に関して疑わしい状況が見られると、税務署は被相続人の銀行口座や証券総合口座などの動きをチェック。あわせて、被相続人のお金が移動する可能性のある家族(相続人)の各種口座もチェックします。
そのため、例えば被相続人が死亡する直前、相続税逃れを目的に被相続人の口座から家族の口座へ現金を移動していたとしても、税務署には簡単にバレてしまいます。
被相続人の口座を10年前までさかのぼって調査する
被相続人が死亡する前後、その口座に違和感ある動きがない場合でも、税務署の判断により過去10年前までさかのぼって詳細に調査することがあります。この点は前述の通りです。
国税総合管理(KSK)システムで財産の状況を調査する
2001年より、全国の国税局と税務署の情報が総合的なネットワークで繋がった「国税総合管理(KSK)システム」の運用が始まっています。法人を含む申告・納税に関する情報、および、不動産棟の購入・売却履歴などが全て掲載されたシステムです。
相続税逃れが疑われる場合、税務署は国税総合管理(KSK)システムの残っている情報に違和感のある動きがないかどうか、対象者の情報を詳細に調査します。
実地調査や反面調査を行う
銀行口座や国税総合管理(KSK)システムの動きに不自然な点が見つかり、相続税逃れのためのタンス預金の存在が疑われた場合、税務署は税務調査を行います。
税務調査には実地調査と反面調査があり、実地調査とは疑わしき本人に対して行う調査で、反面調査とは本人の周辺(取引先など)に行う調査を言います。
【参考】相続税逃れのタンス預金を疑われる出金額は概ね100万円以上
相続税逃れを目的にタンス預金を行うことは違法ですが、タンス預金を行うこと自体は違法ではありません。そのため、被相続人が亡くなった際にタンス預金が存在したという理由だけで、税務調査が入るわけではありません。
税務署が相続税逃れのタンス預金を疑う主なきっかけは、被相続人の口座内におけるお金の動きですが、概ね100万円以上の出金が見られた場合、税務署は相続税逃れを疑う可能性があるようです。
下記ページでは「手元現金の範囲」や「申告方法」など相続税の考え方についてまとめています。気になる方はご参考ください。
相続税対策としてのタンス預金の存在がバレたときのペナルティ
相続税逃れを目的としたタンス預金が見つかったり、意図していなくても結果として相続税逃れとなるタンス預金が見つかったりし、なおかつその相続税申告をしていない場合には、以下に列挙するペナルティを科される可能性があります。
無申告加算税
申告すべき相続税を期限内に申告しなかった場合、これに対して課される税金が無申告加算税。納付すべきだった税額が50万円以下の場合には15%、50万円超の場合には20%の税金が加算されます。税務署の指摘が入る前に自主的に修正申告をした場合には、加算税率が軽減されます。
過少申告加算税
本来よりも少ない税額で申告し納税した場合、これに対して課される税金が過少申告加算税。納付すべきだった税額が50万円以下の場合には10%、50万円超の場合には15%の税金が加算されます。ただし、法定申告期限から1か月までの期間で自主的に期限後申告をした場合、または、特定の条件により期限内申告する意思があったと認められる場合には、過少申告加算税は課されません。
延滞税
納税の期日までに納税しなかった場合、これに対して課される税金が延滞税。相続税申告を行ったものの法定期限までに納税しなかった場合、期限後申告書を提出して納税すべき税金が生じた場合など、何らかの事情により法的期限までに納税されなかった際、その年の延滞税率に基づいて延滞税が課税されます。延滞税率は毎年変動しますが、令和6年1月1日から令和6年12月31日までの延滞税率は、本来の納期限の翌日から2ヶ月以内であれば2.4%、2ヶ月以上過ぎると8.7%となります。
重加算税
財産を意図的に隠して相続税の税額を過少に申告した場合、または、申告する必要性を認識していながら意図的に申告・納税をしなかった場合に課されるのが重加算税。税率は、相続税の申告書を提出していた場合が追加で納める相続税額の35%、相続税の申告書が提出されていない場合が相続税総額の40%となります。本来であれば無申告加算税や過少申告加算税が課される案件ですが、状況が悪質と判断された場合には、代わって重加算税が課される形となります。極めて悪質な脱税行為と判断された場合、加えて刑事罰を科されることもあります。
相続税逃れのためのタンス預金と疑われないよう注意
タンス預金をすること自体は違法行為ではないため、中には申告の必要性を認識せず、被相続人が残したタンス預金をそのまま引き継いでしまう人がいるかもしれません。しかし、法律に「知らなかった」は通用しません。全く悪意なく、本当に申告の必要性を知らずにタンス預金を引き継いだだけだったとしても、相続財産の評価額次第では、上記のような各種加算税を課されることとなります。
タンス預金をする際には、税務署から無用な疑いを掛けられないよう次の2点に注意しましょう。
被相続人の死亡直前などに100万円を超える出金をしない
被相続人の死亡直前などに100万円を超える出金をすると、税務署から相続税逃れを目的としたタンス預金を疑われる可能性があります。特に使う予定がないならば、なるべく被相続人の口座内はおとなしくしておくべきです。リフォームなどで本当に必要なお金だった場合は、その使途を税務署へ明確に説明できるよう領収書等を保管しておくと良いでしょう。
多額のタンス預金をしない
タンス預金自体は違法ではありませんが、数百万円、数千万円のタンス預金を持つことは、一般的に見ても不自然です。税務署から相続税逃れを疑われても仕方ありません。タンス預金をするならば、10万円程度が妥当ではないでしょうか。多くとも数十万円に留め、税務署から無用な疑いをかけられないようにすることが大切です。
相続税とタンス預金の関係
「タンス預金」という言葉は、相続税について調べている中で出て来ることがあります。一見するとあまり関係がなさそうなこの2つの言葉ですが、先に紹介した相続時のトラブルリスクも含めたさまざまな問題を引き起こす可能性があるものとなっています。ここでは実際にあった事例も含めて紹介・解説しますので、ぜひチェックして下さい。
相続場面におけるタンス預金の問題
相続場面においてタンス預金がトラブルを引き起こす可能性については先に少し触れましたが、これは「タンス預金も相続財産に含む」という決まりがあるためです。したがって遺産分割協議や相続税の申告に関してもタンス預金を含めて協議・計算する必要があり、含めずに手続きを進めてしまうと後々指摘を受けてしまう可能性が高いです。
相続税・贈与税の時効
相続税
相続税の時効は申告期限から5年となっていますが、悪質な場合には7年まで伸びます。相続が発生してから10か月後が申告期限となっており、そこから5年が経過すると時効が成立します。時効が成立するとどうなるかというと、相続税を徴収する権利が無くなる、つまり相続税を支払う義務がなくなります。ただし、「相続税の支払い義務があるのを知っていて支払わなかった場合」や「税金を払うのが嫌で財産を隠していた場合」など、悪質と判断される場合には時効成立までの期間が7年となります。時効成立まで支払わなければ払わなくて済む、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、時効成立まで待つのは非常に危険であるため相続税を納める義務があるという事実を知った場合には速やかに手続きを行いましょう。
贈与税
一方の贈与税は贈与の発生から6年で時効が成立します。ただしこの時効は贈与と知らずに贈与を行っていた場合に適用される期間であり、課税対象になることを知っていて申告を行わなかった場合など、意図的に隠していた場合には時効は7年となります。しかし贈与は贈与したことの証明を明確に残していなければ事実としての認定が非常に難しいことから、「贈与があって時効が成立した」ということを客観的に証明しづらくなっています。たとえば親族内で多額の贈与を行ってから10年以上が経過した時点で税務調査などが入った場合、贈与を行ったものが亡くなっていると10年前に譲り受けた旨を説明しても「証明できない」として相続であると認定されてしまう可能性があります。このように贈与税は時効が成立しにくいとされており、相続税として徴収されることがあります。
タンス預金がばれて追徴課税が発生した事例
実は過去に、タンス預金が見つかり追徴課税が発生したという事例があります。事業を行っていた夫から遺産約4億8千万円を相続したものの申告せず、相続税約2億3千万円を脱税したとして相続人を地検に告発しました。重加算税を含む追徴税額は約3億2千万円にも上っており、このニュースが報道されたころには既に納付されたと見られていました。この相続人は現金で3億円以上を自宅のタンスや押し入れに隠しており、「自分のために残して貰ったものなので、少しくらいよけてもいいと思った」などと供述していたそうです。関係者によるとこの相続人は子供二人とともに不動産などを含め約15億円の遺産を相続していたものの、現金や預貯金の約4億8千万円を除外して申告し、脱税したと報じられています。
名義預金とは
名義預金とはその名の通り「名義だけの預金」のことであり、口座の名義人と実際に預金している方が異なる預金のことをいいます。よくあるケースとしては子どもや孫の名前で銀行口座を開設している例が挙げられます。一般的な感覚としては問題が無いような印象を受けますが、こういった銀行口座は相続税申告場面において税務署から指摘を受ける可能性が高いといわれています。理由としては名義預金が「実際に預金している人の金融資産」として取り扱われるためであり、預金していた方が亡くなった場合には相続財産として認識したうえで相続税の申告を行う必要があるのです。
名義預金として指摘される可能性が高いケース
名義預金であると指摘がされやすいケースは数パターンあり、同一銀行・同一年月日に子どもや孫名義での口座を同時に開設している場合や振込があるのが年1回程度・確実に子どもや孫の口座であると客観的な証明が出来ない場合、被相続人が毎年子どもや孫名義の口座に一定額を入金していて、通帳や印鑑を被相続人が保管している場合などが挙げられます。税務調査の際に「名義預金の漏れがある」などと指摘された場合、相続税の追徴課税の他にペナルティを課されてしまう可能性がありますので、生前からしっかりと対策をしておくことをおすすめします。
懲役刑の有罪判決が下される場合がある
相続税という言葉からは想像しづらいかもしれませんが、未申告や申告漏れがあった場合には懲役刑が課される可能性もあります。不足分の税額を納めることはもちろんですが、延滞金・重加算税の発生や罰金・懲役など、その悪質性や金額によって課せられるペナルティは大きく変わってきます。「これくらいいいだろう」という軽い気持ちからとんでもない事態に繋がってしまう可能性がありますので、申告すべきものはきちんと申告し、納めるべきものはきちんと納めるようにしましょう。
相続税対策に有効な方法
贈与税の非課税枠や特例を活用
相続税は法定相続人が1人のとき、3,600万円が基礎控除となります。この基礎控除は法定相続人が1人増えるごとに600万円ずつ加算されますが、遺産総額がその基礎控除の範囲内であれば相続税は発生しません。他にも「配偶者の税額軽減」「未成年者控除」「障害者控除」「相次相続控除」「小規模宅地等の特例」などといった非課税枠や特例をうまく組み合わせることにより、税支出を最小限に抑えることができるかもしれません。これらの制度は年々改訂が加わることもありますので、最新の制度状況を確認しておくようにしましょう。
暦年贈与をうまく使う
相続においては「暦年贈与」という制度があります。これは1月1日から12月31日までの1年間(暦年)において、贈与額が110万円以下であれば贈与税がかからないという仕組みを用いた贈与方法です。非課税で毎年110万円を移すことができる制度になっていることから、有効な相続税対策として利用されています。なお、この110万円は現金だけでなく、土地や建物も含むことができます。ただし、贈与額の110万円は「贈与を受ける者」を基準とした金額になっています。例えば父から100万円・母から100万円の贈与を受けた場合には総額が200万円になってしまいますので、90万円は贈与税の課税対象となってしまいますので注意が必要です。
「相続時精算課税」制度による生前贈与
生前贈与の方法として、「暦年贈与」の他に「相続時精算課税」という制度を利用することが可能です。これは相続をする予定の子や孫が受贈者として2,500万円を上限に贈与税を納めず贈与を受けることができ、贈与者が亡くなったときに贈与財産(贈与時の価額)と相続財産を合計した金額から相続税額を計算し、相続税として納税を行うものです。この制度では年間110万円の基礎控除が設けられており、2,500万円に含めない事から相続財産に加算されないというメリットも受けることができます。
生命保険を活用
生命保険は相続税の計算において「500万円×法定相続人の数」で算出した金額が非課税として取り扱われます。相続人が4人であれば500万円×4人で2,000万円までの保険金を非課税で受け取ることができます。現預金で2,000万円を受け取ってしまうとその全てが課税対象になってしまいますが、保険金で受け取ることにより税負担がなくなります。
違法性のないタンス預金をどうすればいいか?
自然災害などの備えに対する適度なタンス預金はそのまま保管しておくと良いでしょう。一方で、数百万円、数千万円ものタンス預金をお持ちなら、税務署対策以前に、インフレによる資産の目減りを防ぐ目的で、タンス預金ではない形に変えておいたほうが良いでしょう。
タンス預金を何に変えるべきか?
インフレ対策としてタンス預金を何らかの投資に回したとしても、その投資において逆に損失を生んでは本末転倒です。銀行預金にお金を預け入れても、インフレ対策になるほどの金利は付きません。また、資産が1000万円を超える部分については保護されないこともあるので注意が必要です(ペイオフ)。
外貨預金という選択肢
タンス預金の預入先として、外貨預金が良い選択肢です。海外の銀行に口座を開設し、円を外貨に変えて預け入れます。外国の銀行は日本より金利が高く、海外銀行口座の預金金利は低くても1%です。また、一般的には金利3%程度ですし、高ければ10%台のケースもあります。
そのため、国内の金融機関へ預け入れるよりも効率的に利息を得やすく、資産の活用という点でメリットのある選択肢です。
なお、海外銀行口座の口座開設手続きは、口座開設者自身で行う必要があります。代理で別の個人や法人などが解説してしまうと違法になってしまうので、注意しておきましょう。
ただし、アドバイスや書類作成のサポートなどは専門サービスへ依頼できるので、1から手続きを調べなくともプロの力を借りながら進められます。
タンス預金の活用方法として外貨預金を検討する場合は、早めの計画を推奨します。
下記のページではタンス預金の活用の方法について紹介していますので、ぜひご覧ください。
タンス預金の相談をするならプロフェッショナルへ
- 合同会社PPS
合同会社PPSは、金融経験15年以上の専門家がタンス預金を守り抜く資産形成を丁寧にサポートしています。
日本国内において資産運用を学ぶ機会は少なく、「相談できる相手がいない」「税務上の問題が心配」と不安を持たれている方もいるでしょう。
合同会社PPSでは2007年創業、これまで2,500人以上の資産に関するお悩みをサポートしてきました。お金に関する悩みや不安はそれぞれ違い、最適な資産管理方法も十人十色です。
タンス預金でお悩みの方はまず合同会社PPSにご相談ください。
タンス預金以外の節税方法
特定支出控除
特定支出控除は、サラリーマンであっても確定申告を行うことにより一部支出を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができるものです。内容としては一般の通勤者として必要と認められる通勤費や職務上の出張旅費、転勤を伴う転居のために必要となる転居費などが挙げられます。他にも職務に必要な技術や知識を学ぶための研修費や職務に必要な資格を取得するための資格取得費、単身赴任などの場合において自宅に帰るための支出である帰宅旅費などがあります。ほかにもさまざまな種類の特定支出がありますが、これをうまく組み合わせながら確定申告を行うことにより、節税することができます。
保険料控除
サラリーマンの方はその多くが会社で年末調整を行っていると思いますが、保険料を支払っている場合には所得控除を受けることが可能です。対象としては生命保険料や個人年金、介護保険料などのほか、地震保険料も対象となります。納税者が保険料を支払っている場合に一定額の控除が受けられるという仕組みになっており、生命保険料であれば算定式にあてはめて算出した控除額のうち、最大12万円までを税額控除することが可能です。地震保険料については納税者もしくは納税者と生計を一にしている配偶者、その他親族が所有している居住用の建物・家財を保険の対象としている地震保険の保険料が対象となっており、最大で5万円までの控除が受けられます。
住宅借入金等特別控除
これはいわゆる「住宅ローン控除」であり、マイホームの購入やリフォームのために住宅ローンを利用して一定の要件を満たしている場合、所得税や住民税の一部を控除することが可能となっています。年間最大で40万円、最長で約10年間にわたって利用することができます。この住宅ローン控除を受けるための要件としては「住宅ローンを利用して購入する物件の床面積が50平米以上」「借入金の返済期間が10年以上」「住宅ローンを利用する者の年収が3,000万円以下」となっており、これらを満たす必要があります。居住を開始した時期によって控除期間などの条件が若干異なりますが基本的には年末時点の住宅ローン残高の1%を所得税から控除することが可能です。
ふるさと納税
ふるさと納税は近年市場規模を大きく拡大している制度です。控除上限額までの利用であれば自己負担額を2,000円とし、いわゆる「税金の前払」をすることで返礼品を受け取ることができるお得な仕組みになっています。自分の好きな自治体に対して寄付を行うことで、その支払額が所得税や翌年の住民税額から控除される形となります。これは先に振れた通り「税の前払」であることから実態としては節税に該当するものではありませんが、返礼品を受け取ることができるという大きなメリットがあることから、家計の節約に繋げることが可能となっています。制度としては寄付額の3割相当程度が返礼品の目安となっているため、10,000円のふるさと納税をすることで3,000円相当の品物を受け取ることができます。
確定拠出年金
日本では少子高齢化の影響が大きく、今の現役世代が定年を迎えるころに貰える年金額はかなり少なくなるのでは、と言われています。そのため国としては個人で行う自助努力の年金制度を推進しており、その代表として挙げられるのが確定拠出年金「イデコ」「企業型DC」です。老後の資産形成を目的としたものであり、毎月積み立てを行いながらあらかじめ用意された運用商品を自分で選んで運用する形となっています。イデコは個人型とよばれるものであり、自分の老後のために自分で掛け金を拠出しますが、企業型DCは会社の退職金制度の一つとして運用されます。この掛け金は全額が所得控除されるうえに、運用益が出ても税金がかからないことから節税効果が高くなっています。
少額投資非課税制度
少額投資非課税制度というと小難しく聞こえますが、「NISA(ニーサ)」というと聞いた事のある方が多いのではないでしょうか。これは所得控除などによる節税効果を受けられるものではありませんが、運用して得た収益に税金がかからないものであるため紹介します。NISAは非課税口座を開設し毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる制度であり、その金額上限の範囲によって「一般NISA(現・成長投資枠)」と「積立NISA(現・つみたて投資枠)」という種類があります。これらは併用することもできますので、うまく組み合わせることができると大きく税制上のメリットを受けることが可能になります。老後資金をコツコツ貯めたい方にはおすすめの制度です。
医療費控除
納税者がその年の1月1日から12月31日までの間、自分もしくは自分と生計を一にする配偶者・親族のために支払った医療費が一定額を超える場合、所得控除を受けられる仕組みが医療費控除です。医療費控除は上限が200万円で、実際に支払った医療費の合計から民間の医療保険などで補填された額を引いた金額から10万円を除いた金額が控除額となりますが、総所得金額が200万円以下の場合には10万円ではなく総所得金額の5%が控除されます。この控除対象の医療費には出産費用や入院費用も含めることができますが、未払いの場合には対象とならず実際に支払った年において医療費控除を受けられますので注意しましょう。医師や歯科医師による診療・治療費用、医薬品の購入費用、施術の対価、義手や義足・松葉づえ・補聴器・義歯などが対象になります。
セルフメディケーション税制
セルフメディケーション税制は、薬局やドラッグストアなどにおいて自身で選び対面で購入できるOTC医薬品を購入した場合、その費用のうち12,000円を超える部分を所得控除の対象とすることができる制度です。所得控除の上限は88,000円となっており、軽い症状であればOTC医薬品で健康を管理するというセルフケアを推進することが目的の制度であることから、予防接種や健康診断など健康の取り組みを行っていることが要件になっています。ただし、医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できないという点には注意が必要です。
by
合同会社PPS
「海外銀行口座開設」のプロフェッショナル
- 合同会社PPS
- 吉岩勇紀代表
2007年創業、これまで2,500人以上の海外銀行の口座開設をサポート。独自の人脈と豊富な知識で海外銀行とのコネクションを築く。現在はプライベートバンク(モナコ)・アクレダ銀行(カンボジア)・JDB銀行(ラオス)をはじめ、計8銀行の口座開設をサポートしている。