資産1000万円あったら何に投資するのがおすすめ?
生活費や納税をやりくりしながら1000万円の資産を築くことは、容易ではありません。苦労して貯めた1000万円だからこそ、インフレで目減りしないよう何らかの投資も検討してみたほうが良いでしょう。
ここでは、資産1000万円をお持ちの方に向けたおすすめの投資法をご紹介しています。
資産1000万円をお持ちの方におすすめの投資先
投資には様々な種類があり、また投資スタンスは人それぞれなので、一概に「1000万円を持っている人にはこの投資先がおすすめ!」というテーマを論じることはできません。
そのため、以下では1000万円をお持ちの方に多く見られる主な投資先をご紹介します。ご自身の投資スタンスに照らしながら参考にしてください。
株式
証券取引所に上場している株式を購入し、配当金や売却益を狙う投資法です。
後述する債券に比べ、保有中の利率が高い傾向がありますが、価格変動も大きいためハイリスク・ハイリターンの投資先であることを理解する必要があるでしょう。
少額の資金にレバレッジをかけて株式運用をする信用取引や、外国の証券取引所に上場する銘柄を対象にする株式取引もありますが、いずれも一般的な日本株式への投資に比べてハイリスク・ハイリターンとなります。
投資信託
投資信託とは、投資家から集めた資金をプロのファンドマネージャーが運用する投資商品。保有中の分配金や売却時の差益などが期待できます。
円建て公社債投資信託などのようにローリスク・ローリターン型の商品もある一方で、外貨建て株式投資信託などのようにハイリスク・ハイリターン型の商品もあり。商品選択の際には、証券会社の営業担当などからきちんと説明を受けましょう。
iDeCoや積立NISAなどを構成している主力商品の多くも投資信託です。
債券
債券とは、国や自治体、会社などが発行する有価証券の一種。金利と満期が設定され、満期まで保有していればその間の金利、および額面金額が返還される仕組みの投資商品です。
債券には格付けが設定され、格付けが低いほど金利が高くなる傾向がありますが、その分、満期到来までの倒産リスクも高め。日本で発行されている債券の破綻は起こりにくいと考えられますが、過去、外国債券の中には破綻した例も見られるので注意が必要です。
不動産
マンション等を購入し、家賃収入や売却益を狙う投資法。1000万円では購入できる物件が限られているものの、築古のワンルームマンションなら購入できる物件も見つかるでしょう。
高い専門性が必要な投資法なので、不動産会社に相談しながら慎重に投資先を決める必要があります。
REIT
投資家から集めた資金で不動産を購入し、その家賃収入や売却益を投資家へ分配する形の投資商品。現物の不動産へ投資することに比べ、少額の資金で投資を始められること、上場しているので好きなタイミングで購入・売却できることなどがメリットとされます。
株式投資に似た運用法となりますが、多くの株式銘柄に比べ、値動きがやや緩やかで分配金(株式でいう配当金)が高めに設定されているという特徴があります。
海外口座預金
海外口座預金とは、文字通り、海外の銀行に口座を開設してお金を預けること。お金を預けるだけなので、投資家にはほとんど手間がかかりません。
日本の銀行とは異なり、海外の銀行の預金金利は非常に高め。年間1~3%程度の金利は当たり前で、中には10%という高金利を設定している銀行もあるほどです。将来、円に替えてお金を引き出す際には、為替差益が生まれている可能性もあります。インフレ対策などとしてもメリットがあります。
なお、海外口座預金は手間のかからない投資先の一種ですが、最初の口座開設手続き等は、やや煩雑というデメリットがあります。
そこで、海外銀行口座の開設手続きに関する流れなどがわからない時は、サポート会社の利用をおすすめします。
申請作業そのものは本人対応が必要なものの、銀行から送付される資料やメール内容の翻訳作業、銀行ごとの特徴やサービス内容、注意点などに関するアドバイスを受けられますし、1から手続きの流れを調べる手間を省けます。
下記ページでは海外口座開設のメリットや方法日本にいながら口座開設できる国についてまとめています。海外口座開設に興味のある方はぜひご参考ください。
商品先物
金やプラチナ、ゴム、原油、穀物など、商品先物市場に上場している銘柄で運用する手法。大きなレバレッジを設定できるため、少額の資金でも大きな利益を得られる可能性がある半面、一瞬にして大金を失うリスクもある超ハイリスク・ハイリターンの投資先です。
魅力の大きい投資先ですが、大金を投資することはおすすめできません。
金(ゴールド)
金の現物を購入し、将来的な売却益を狙う投資法です。株式や債券とは異なり、保有しているだけで果実を得られるわけではありません。
金は安全資産として知られ、特に世界情勢に不安が蔓延している際には、資金の一時的な避難先として金が選ばれることもあります。そのため、戦争や天変地異、感染症などが発生すると金が買われ、価格が高騰する傾向があります。
ちなみに2023年現在、金価格は過去最高値レベルを継続中です。
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーとは、AIの分析により投資家へ資産運用アドバイスを行うサービスの総称。投資助言のみを行うタイプのほか、助言に加えて運用も自動的に代行するタイプもあります。
自分で投資対象を研究する時間や自信がない方におすすめの投資法です。
FX
FXとは、為替相場の変動を利用して差益を狙う投資法の一種。通貨の金利差で利益を狙うことも可能です。
レバレッジを設定すれば少額の資金でも大きな利益を得られる可能性がある魅力的な投資法ですが、逆に大きな損失にもつながる可能性もあります。
さほど難しい投資法ではなく、かつビギナーズラックの多い投資法と言われることもあるため、初心者はつい継続的に資金を追加投入しがち。FXは超ハイリスク・ハイリターン型の商品であることを十分に承知し、慎重な姿勢で投資するようおすすめします。
仮想通貨
現実には存在しない通貨をネット上で購入し、売買による差益の獲得を狙う投資法。ビットコインが有名です。
価格変動が大きく、ハイリスク・ハイリターン型投資の一種。1年で価格が数倍、または数分の一になることも珍しくありません。24時間、世界中で取引が可能なため、短期売買を狙う場合には慎重にタイミングを検討する必要があります。
税制優遇制度の活用
NISA(少額投資非課税制度)
最大年間120万円までの投資額が非課税となり、5年間運用が可能です。NISAは比較的短期間での投資収益を期待できるため、キャピタルゲインを狙った株式投資などに向いています。また、NISA枠で得た収益は非課税となるため、リスクを取って成長が期待できる銘柄に投資する際にも有効です。
積立NISA
年間40万円までの積立投資が20年間非課税となります。積立NISAは長期的な資産形成を目的として設計されているため、毎月一定額を積み立てて、時間をかけて資産を増やすことに向いています。インデックスファンドなど、安定した成長が期待できる商品への積立投資に最適です。20年間という長期間にわたる非課税運用は、複利効果を最大限に活用することが可能です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
掛金が全額所得控除対象となり、運用益も非課税です。ただし、60歳まで引き出しはできません。iDeCoは老後の資産形成に特化しており、税制面での大きなメリットがあります。例えば、年間掛金が全額所得控除となるため、現在の税負担を減らしつつ将来の資産を増やすことが可能です。また、運用益も非課税で再投資されるため、長期にわたり効率的な資産形成が可能です。
これらの税制優遇制度を組み合わせることで、リスク分散を図りつつ資産形成を効率化することが可能です。例えば、積立NISAで長期的な成長を狙いながら、iDeCoで老後の資金を積み立て、NISAで短期的なキャピタルゲインを狙うといった戦略が考えられます。
ポートフォリオ構築のポイント
資産運用において、ポートフォリオを構築することは重要です。分散投資を通じてリスクを軽減し、安定的なリターンを追求することが基本的な戦略です。また、投資対象を広げることで、市場の急激な変動によるリスクを抑えながら、全体的なパフォーマンスの安定化を図ることが可能です。
リスク許容度に応じた投資配分
リスクを取れる方は、株式の割合を多くし、リスクが取れない場合は債券や現金などを多めに持つなど、個々の状況に応じたポートフォリオを組みましょう。例えば、若い世代であれば、長期的なリターンを追求して株式の比率を高めに設定し、一方でリタイアが近い世代であれば、債券や現金の比率を高めて安定性を優先するなど、年齢や収入状況に応じた調整が必要です。
リバランスの重要性
市場変動によってポートフォリオの比率が崩れるため、半年に一度や1年に一度などのタイミングでリバランスを行い、当初の資産配分に戻すことが重要です。リバランスは、特定の資産クラスが増えすぎたり減りすぎたりすることで全体のリスクプロファイルが偏らないようにするための重要なプロセスです。例えば、株式市場が急騰して株式の比率が高くなった場合、株式を一部売却して債券に振り分けることで、リスクの偏りを抑えます。
緊急資金の確保と資産保全も重要
投資を始める前に、緊急時の生活費として3ヶ月から1年分の生活費を現金で保有することが重要です。これにより、予期せぬ出費があった際にも資産運用を継続し、計画的に運用することが可能になります。
また、保険商品や流動性の高い資産を組み込むことで、資産保全の強化が可能です。保険を活用してリスクをヘッジし、長期的な資産形成を安定させることが推奨されます。
資産1000万円があってもおすすめできない投資法
資産1000万円をお持ちの方が投資を検討する際、せっかく築いた大切な1000万円を目減りさせないよう、以下の2点には十分にご注意ください。
投資に回すお金を決めない
将来的に発生する可能性がある出費を考慮すると、1000万円の全額を投資に回すことは得策でありません。冠婚葬祭やリフォーム、急な病気やケガの治療費などのまとまった出費に備え、ある程度は現金のままで保有しておいたほうがよいでしょう。
現金と投資の比率に正解はありません。現在の収入なども踏まえ、自分で許容できる範囲の投資比率を決め、その比率を超えないよう自分を律しながら投資活動を行いましょう。
投資対象と投資タイミングを一斉に
「卵を1つのかごに盛るな」という有名な投資格言があります。かごを落とせば卵がすべて割れてしまうイメージに重ね、特定の投資商品に大金を偏らせないよう伝えています。
たとえば1000万円のうち500万円を投資に回す場合、その全額を株式の好きな1銘柄に投資した場合、その銘柄に何らかのマイナスニュースがあると、資金を大きく失ってしまうかもしれません。そのようなことのないよう、投資する際には複数の商品へ分散し、かつ異なるタイミングで投資することが少しでもリスク回避につながると言われています。
by
合同会社PPS
「海外銀行口座開設」のプロフェッショナル
- 合同会社PPS
- 吉岩勇紀代表
2007年創業、これまで2,500人以上の海外銀行の口座開設をサポート。独自の人脈と豊富な知識で海外銀行とのコネクションを築く。現在はプライベートバンク(モナコ)・アクレダ銀行(カンボジア)・JDB銀行(ラオス)をはじめ、計8銀行の口座開設をサポートしている。