2000万円の運用資産を持つ人におすすめの投資先とは？

ここでは、2000万円の資産運用・投資先に関して解説しています。

資産運用のパターンは、運用する資産の金額によって決まるものではなく、運用する人の投資スタンスによって決まるものです。投資スタンスとは、簡単に言えば「どのくらいのリターンを求めているか」「どのくらいのリスクをとれるか」「どのくらいの期間で投資するか」など、投資に向けた基本的な姿勢です。

改めてご自身の投資スタンスを振り返り、その上で当記事をご自身の資産運用にお役立ていただければ幸いです。

投資スタンスの種類と主な投資先

ローリスク・ローリターン型

大きなリターンは期待できないものの、大きなリスクの心配もない投資スタンスのこと。具体的には、国内で発行された円建ての国債や公債、社債などがローリスク・ローリターン型の方の投資先となるでしょう。

ミドルリスク・ミドルリターン型

ローリスク・ローリターン型に比べ、やや大きめのリターンを求め、やや大きめのリスクを許容する投資スタンスのこと。具体的には、投資信託やREIT、ETF、外国債券、外貨預金、株式、金地金、ロボアドバイザーなどがミドルリスク・ミドルリターン型の方の投資先となるでしょう。

ハイリスク・ハイリターン型

高いリスクを許容する代わりに、高いリターンを求めるタイプの投資スタンスのこと。具体的には、商品先物取引、FX、仮想通貨などがハイリスク・ハイリターン型の方の投資先となるでしょう。

以下、それぞれの投資スタンスに応じた投資先の種類を具体的に確認します。

【2000万円の投資先】ローリスク・ローリターン型

2000万円をローリスク・ローリターン型で運用する際の主な投資先を見てみましょう。

国債・公債

国債とは国が発行する債券で、公債とは自治体が発行する債券のこと。いずれも満期まで保有すれば、基本的には保有期間の金利、および額面金額が保証されます。日本で発行される円建ての債券は、ほぼ全てがローリスク・ローリターン。一方で、海外で発行される外貨建ての債券は、地政学的リスクや為替変動リスクもあることから、ミドルリスク・ミドルリターンに分類されます。

社債

社債とは、会社が発行する債券のこと。国債や公債と同様に、満期まで保有すれば、その間の金利支払いと額面金額の返還が保証されます。国債や公債に比べると、ややリスクが高いことから、金利も高めに設定されることが一般的。電力会社が発行する通称「電力債」は、安全性の高い社債として広く人気です。

【2000万円の投資先】ミドルリスク・ミドルリターン型

2000万円をミドルリスク・ミドルリターン型で運用する際の主な投資先を見てみましょう。

投資信託

投資信託とは、投資家から集めた資金をプロが運用する投資商品のこと。購入してから解約するまでの間、分配金の支払いや値上がり益などが期待できる商品です。比較的安全性の高い円建て公社債投資信託から、比較的リスクの高い外貨建て株式投資信託まで、バラエティに富んだ何千種類もの商品が運用されています。

株式

株式投資とは、一般的に証券取引所で上場している株式の売買を通じて利益を上げる投資手法。小さな値上がり益を繰り返し重ねる短期投資や、配当金や株節優待などを主な目的とした長期投資など、投資家による様々なスタンスで取引されています。基本的にはミドルリスク・ミドルリターンとなる投資対象ですが、株式信用取引や外国株式投資などはハイリスク・ハイリターンに属することがあります。

REIT

REIT（リート）とは、投資家から集めた資金で不動産を購入し、その家賃収入を投資家へ分配する形の投資商品。正式名は「不動産投資信託」ですが、一般的な投資信託とは異なり証券取引所に上場しているので、いつでも売買できる点が特徴です。分配金の高さが魅力で、多くの種類のREITに分散投資している投資家も少なくありません。

外債・外貨預金

外債とは、外国で発行された外貨建て債券のこと。外貨預金とは、外貨に両替したお金を外国の銀行に預けること。どちらも日本の債券や銀行預金に比べ金利が高い傾向がありますが、為替変動リスクを負っていることから、分類としてはミドルリスク・ミドルリターンとなります。

ロボアドバイザー

ロボアドバイザーとは、AI搭載のロボットが投資判断をし、投資家へ助言を与えたり投資家に代わって運用したりする一連の仕組みのこと。自分で投資の研究をする時間のない多忙な方や、自分の研究に自信がない方などから人気の投資システムです。

金地金

金の板などを購入する投資法。保有している間、金利が発生するわけではありませんが、売却時に差益を得られる可能性はあります。

なお、金は「有事の金」と言われ、世界情勢が不安定になると値上がりする傾向があります。2023年現在、不安定な世界情勢を反映してか、金価格は過去最高レベルを推移しています。

【2000万円の投資先】ハイリスク・ハイリターン型

2000万円をハイリスク・ハイリターン型で運用する際の主な投資先を見てみましょう。

商品先物

金、銀、プラチナ、ゴム、原油、トウモロコシ、大豆など、先物取引市場に上場している商品を対象に行う投資。少額の資金に大きなレバレッジをかけて運用できるため、短期間で大幅な利益を得られる可能性がある半面、短期間で大幅な損失を被る可能性もあります。

FX

FXとは、為替相場の変動による差益を狙ったり、通貨の金利差で利益を狙ったりする投資手法。商品先物と同様に大きなレバレッジを設定できるため、ハイリスク・ハイリターンの投資法に分類されています。ビギナーズラックをきっかけにのめり込んでしまう方も多いようですが、かなりリスクの高い投資法なのでご注意ください。

仮想通貨

現実には存在しない通貨を購入し、差益が生まれた段階で決済して利益を上げる投資法。ビットコインが有名です。

価格変動が非常に大きく、ハイリスク・ハイリターン型の投資法の典型。24時間、世界中で取引が行われているため、「朝起きたら暴落（暴騰）していた！」ということも珍しくありません。

2000万円で資産運用するときの注意点

2000万円で資産運用するときの主な注意点を2つほど確認しておきましょう。

預貯金の全額を投資に回さない

資産運用に回すお金は、生活費や緊急時に必要な資金などを除いた「余裕資金」に限定しましょう。

資産運用でビギナーズラックを経験すると、つい予定より多くのお金を投資に回したくなるもの。たまたまビギナーズラックが2回、3回と続けば、「自分には投資の才能があるかもしれない」と誤認し、つい当初の予定額より多くの資金を投資に回したくなります。

しかしながら、ビギナーズラックはいつまでも続くものではありません。いずれ、大きな損失も経験することになるでしょう。

ご自身や家族の急な病気やケガ、冠婚葬祭、リフォームなど、緊急でお金が必要になったときに困らないよう、投資は余裕資金の範囲内で行うことが原則です。

投資先・投資タイミングを分散する

1つの投資商品に対し、同じタイミングで全額2000万円を投入することは避けましょう。もしその投資商品の価格が急落した場合、大きな損失を被る恐れがあるからです。

資産運用をする際には、投資先や投資タイミング、金額などを細かく分けて「分散投資」を行い、リスク分散を図ることが基本的な姿勢です。