プライベートバンクで失敗しないために知るべきリスク
「プライベートバンクへ資産を預ければ楽に資産運用できそう」といった考えで、プライベートバンクの口座開設を検討している方は、失敗のリスクがあります。
スイス発祥のプライベートバンクは、一定額以上の資産を有する富裕層の方に向けたサービスを提供する金融機関で、プロに資産運用を任せられます。しかし、資産運用には市場変動リスクがあるほか、リターンを約束するものでもありません。
当記事では、プライベートバンクで失敗しないために知っておくべきリスクについて詳しく紹介しています。
一定額の資産がありプライベートバンクに関心を持っている方や、口座開設を希望している方はぜひ参考にしてください。
プライベートバンクで失敗しないために知っておくべきリスク
まずは、プライベートバンクで失敗しないために知っておくべきリスクを解説します。
市場変動リスク
プライベートバンクで失敗しないためには、市場変動リスクを把握しておく必要があります。
プライベートバンクでは、預けた資産をさまざまな金融商品へ投資および運用してもらいます。たとえば、株式や投資信託の価格などは市場の状況によって変動するため、必ずリターンを得られるわけではありません。
そのため、プロの担当者へ資産運用を任せたとしても、必ず利益を得られるわけではない点を理解した上で、リスク対策を進めていく必要があります。
借入金利が上昇する可能性
プライベートバンクを通じた借入を行った場合は、借入金利の上昇による負担増加リスクに注意しましょう。
多くのプライベートバンクでは、証券ファイナンスなどへの借入に対応しています。また、借入を行った上で投資を行えるのが、特徴の1つです。さらに借入金利を上回る利回り維持できれば、借入利息の負担を超える利益を得られます。
しかし、借入金利が上昇してしまうと利益は相対的に減少してしまうほか、利回りの低下によって赤字リスクも出てきます。プライベートバンクを利用する際は、借入金利の上昇リスクを把握した上で、借入の判断を行うことも失敗しないために必要な要素です。
プライベートバンクの事業撤退リスク
プライベートバンクの利用後に失敗してしまうパターンの1つが、プライベートバンク事業の撤退リスクです。
プライベートバンクの中でも顧客を獲得できてないプライベートバンクは、事業撤退の判断を下す場合があります。すると、これまで利用してきたサービスはストップしてしまい、新たにプライベートバンクを探さなければ資産運用を再開できません。
また、事業撤退しなかったとしても人事の再編は、利用者にも影響があります。
プライベートバンクを利用するためには、資産に関する深い内容を担当者へ話す必要があります。しかし、人事の再編などで新しい担当者へ変わってしまうと、再度情報を提供しなくてはいけないほか、関係の構築も1から進めなくてはいけません。
このような関係のリセットといったリスクもあることを理解しておくことが、プライベートバンクで失敗しない・リスクを抑えるために重要なポイントです。
個人情報の開示が求められる
取引における失敗やリスクではないものの、個人情報の開示というリスクもプライベートバンクにはあります。
プライベートバンクを利用する際は、氏名や住所、家族構成、仕事、プライベートバンクへ預ける資産の内訳以外にも個人情報の開示が求められます。また、相続税対策などのサポートを受ける場合には、自身と家族の関係や健康状態などといった細かい情報も必要とされます。
通常、プライベートバンクの担当者を含む社員は、顧客の個人情報を厳重に管理しているため、漏洩などのリスクが抑えられています。しかし、一部でも不正を働こうとする社員やずさんな管理をしている社員が存在すると、個人情報の流出につながりハイリスクです。
プライベートバンクを選ぶ際は、企業の歴史や評判、実績、担当者の評判なども含めて総合的に判断しましょう。
もちろんプライベートバンクにはリスクだけでなく複数のメリットがあります。下記ページでは「プライベートバンクのメリット」や「プライベートバンクの国内と海外の違い」などについて紹介しています。
プライベートバンクについてより詳しく知りたい方は、下記ページもご参考ください。
プライベートバンクでは口座開設の難易度にも注意
多くのプライベートバンクでは、口座開設の際に本人確認作業として面談が要求されます。また、オンラインではなく対面での面談が要求されるため、事前準備を怠らないようにしましょう。
しかし、プライベートバンクにおける具体的な情報については公開されていない部分が多く、個人で調べても見つからないケースも珍しくありません。
口座開設手続きや面談のポイントをあらかじめ知っておくには、サポート会社の利用を検討してみるのがおすすめです。プライベートバンク・海外銀行口座のサポート会社では、どのようなプライベートバンクが適しているのか提案したり口座開設手続きのポイントをアドバイスしたり必要書類の情報などを提供したりしています。
口座開設の難易度を少しでも下げるためには、このようなサポート会社の利用を検討しておくのが大切です。
プライベートバンクを選ぶ際に重要なポイント
プライベートバンクの利用で失敗したと感じないためには、プライベートバンクの選び方に関するポイントを押さえておくことも重要です。
最後は、プライベートバンクを選ぶ際に重要なポイントを紹介します。
企業の歴史やブランド
プライベートバンクを比較検討する際は、企業の歴史や評判、ブランドなどといった点を確認し、信頼性について調べておきましょう。
前半でも解説したようにプライベートバンクを利用する場合は、自身や家族の個人情報まで開示しなければいけません。そのため、プライベートバンクを調べる際は、実績や事業年数などといった情報も見ながら信頼性を判断していく必要があります。
プライベートバンクの預入金額
プライベートバンクは誰でも利用できるサービスではありません。それぞれ預入金額に下限を設けており、一定額以上の預入資産がなければ利用できない仕組みです。
そのため、プライベートバンクのサポート会社などを利用しながら、各プライベートバンクの最低預入額を確認し、自身の利用可能な価格帯から比較検討を進めていくのがおすすめです。
サービスの内容
プライベートバンク選びで失敗しないためには、各プライベートバンクのサービス内容を把握しておきましょう。
プライベートバンクのサービス内容は、大きくわけて金融サービスと非金融サービスの2種類で構成されています。金融サービスは、ポートフォリオの提案や運用、税務に関するアドバイスやサポート、相続税対策と保険の提案、事業承継といった内容で構成されています。
一方、非金融サービスは、医療や福祉サービス、旅行といった付加価値サービスの提供を中心とした内容です。特に付加価値サービス重視の場合は、このような非金融サービスを調べた上で口座開設先を選ぶことが大切です。
また、金融サービスの質や利回りなどは海外・国内のプライベートバンク、担当者、企業の方針によっても大きく異なります。まずは複数のサービスを比較し、自身の目的に合った利回りや運用方針から口座開設を検討してみるのが大切です。
手数料の種類や費用
プライベートバンクの資産運用にかかる手数料の仕組みは、サービスによって異なります。
具体的には、主に4種類の手数料にわかれています。
手数料の種類 | 説明 |
---|---|
固定報酬 | 預かり資産の金額にかかわらず、一定の手数料がかかる |
売買手数料 | プライベートバンク側で金融商品の売買を行った際に手数料が発生する |
資産基準手数料 | 預かり資産額に対して数%の手数料がかかる |
成功報酬 | 資産運用の結果、増加した場合に増加分の手数料がかかる |
プライベートバンクの担当者が利益に固執しにくいサービスは、固定報酬や資産基準手数料です。両手数料は、資産の増加率にかかわらず手数料を獲得できる仕組みのため、積極的な資産運用を検討しなくともプライベートバンク側に利益が入ります。
一方、成功報酬や売買手数料は、積極的に資産運用を行ったり継続的に資産を増加したりしなければ手数料の発生しない仕組みです。一般的にプライベートバンクは、積極的な資産運用を提案しています。
また、手数料率や金額はプライベートバンクによって異なるため、複数のサービスを比較した上で、自身の予算や方針に合った手数料体系や手数料率を見つけましょう。
プライベートバンクで失敗しないためにはリスクを知ることが大切
プライベートバンクで失敗しないためには、どのようなリスクが含まれているのか理解した上で計画を立てたり比較検討したりする必要もあります。
しかし、プライベートバンクの詳細なサービスや手数料体系などは、開示されていない部分もあり、個人で調べにくい領域です。
プライベートバンクの情報を集めたい方などは、この機会にプライベートバンク専門のサポート会社を利用してみてはいかがでしょうか?
プライベートバンク専門の会社は、各プライベートバンクのサービスや口座開設方法などの情報を提供してもらえます。そのため、1からサービスや口座開設方法を調べる手間を省略できるほか、正確な情報をすぐに得られるのが特徴です。
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合同会社PPS
「海外銀行口座開設」のプロフェッショナル
- 合同会社PPS
- 吉岩勇紀代表
2007年創業、これまで2,500人以上の海外銀行の口座開設をサポート。独自の人脈と豊富な知識で海外銀行とのコネクションを築く。現在はプライベートバンク(モナコ)・アクレダ銀行(カンボジア)・JDB銀行(ラオス)をはじめ、計8銀行の口座開設をサポートしている。